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INDEX
1.第78回日本胸部外科学会定期学術集会開催にあたり 勠力共振 - Advancing together with solidarity, collaboration, and resonance - 統括会長、分野会長挨拶 2.フェローシップ受賞者留学体験記
1.第78回日本胸部外科学会定期学術集会開催にあたり 勠力共振 - Advancing together with solidarity,collaboration, and resonance - 統括会長、分野会長挨拶

【安田 卓司 統括会長(食道)挨拶】
心臓・呼吸器・食道 〜 3分野一体の学会を目指して 学び・語らい・食べる 〜 3拍子揃った学術集会を目指して
いよいよ第78回日本胸部外科学会定期学術集会が近づいてきました。今年も例年通り、会期前日の10月22日に米国胸部外科学会(AATS)との共催でAATS/JATS Aortic Symposiumを開催し、翌10月23日から25日の3日間、大阪国際会議場でJATS 2025 in Osakaを開催します。これまで、分野会長(心臓)の湊谷謙司先生、分野会長(呼吸器)の伊豫田明先生、日本胸部外科学会定期学術集会事務局、そして第78回学術集会運営事務局のコングレの皆様と共に2年前より毎月のように打ち合わせ会議をして準備を進めてきました。自由な雰囲気の中で様々の意見を出し合い、日本胸部外科学会の歴史と伝統に配慮しつつも参加される先生目線でセッションテーマを選んで学術集会の充実を図ると共に、懇親会では存分に食とパフォーマンスを楽しんで分野を超えた交流をして頂けるように知恵を絞ってきました。満足度は保証します。是非、現地にお越し頂き、学術集会と大阪の街を楽しんで頂ければと思います。
学術集会テーマ:“勠力共振” 学術集会のテーマは「勠力共振-Advancing together with solidarity, collaboration, and resonance-」としました。日本胸部外科学会の更なる発展のためには3分野が臨床、学術、そして医療行政面で密に連携し、一体となって活動し、かつ世界へ発信していくことが不可欠です。 今年で統括会長制度は終了し、以降は分野会長制に移行しますが、これは3分野が平等の立場で連携、融合し、責任を持って活動することを意味します。そのためには、我々食道分野も海外の食道外科医の活動拠点が各国の胸部外科学会であることを認識し、日本胸部外科学会を窓口に積極的に海外との交流を推進していくことで食道分野の会員増加と活動の強化を図っていきたいと考えています。その上で3分野の縦割りの集合体ではなく、互いに有機的に合体し、知識や経験を共有・共鳴し合う集合体として新たな知見を国内外に発信することで世界におけるJATSの地位と影響力の向上を将来に亘り、永続的に図っていくことができればと期待しています。 今、世界は「アメリカfirst」、「日本first」といったナショナリズムが席巻して自己の利益を追求し、他を排除する傾向にあります。しかし、世界は一つの国だけでは成り立ちません。互いに協力し、補完し合うからこそ豊かな社会、生活が送れるわけです。グローバリズムの視点に立ち、胸部・縦隔を構成する3分野が共存共栄で人間の生命維持を司っているのと同様に、日本胸部外科学会もより強固に連帯する一枚岩の学術団体として発展を続けることを願う次第です。
会場構成の工夫 大阪国際会議場は、コンパクトながらも日本胸部外科学会定期学術集会を開催できる十分なキャパシティーをもつ高層の建物で、各階に複数の会場を有しています。その特徴を活用し、12階の3会場を呼吸器分野、10階の4会場を心臓血管分野、3階のイベントホール内の特設会場を食道分野として分野ごとに会場を同一階に固定し、会場間の移動を短くして興味あるセッションを効率的に渡り歩いて聴講できるように設定しました。一見すると各分野を分断していると思われるかもしれませんが、プログラムとして領域横断や他分野参加型セッションを多く組み入れることで上下の会場間を移動し、領域を超えて意見交換をして頂ければと期待する次第です。同一分野間でのセッション参加の効率性と領域間の交流の双方を満足する一つの解決策としての試験運用ということで皆さんの感想を聞かせて頂けたらと思います。
プログラム構成の工夫 会場設定だけでなく、プログラム面でも効率よくセッション間の移動ができるように配慮しました。 1)昨年を踏襲し、一般口演・ミニオーラルの時間に上級セッションは行わない。 2)全会場で各セッションの開始時刻を揃え、最初から参加しやすくする。 3)関連疾患を扱う上級セッションが同じ時間帯で被らない。 4)3領域に関わるセッションまたは学会企画は第一会場で行う。 5)一般口演・ミニオーラルの発表も全て口演形式とする。 6)各分野の優秀演題を含む一般口演は第一会場での発表とする。 マイスケジュールを組んでセッションを渡り歩いて楽しんで頂ければと思います。
3分野共通領域横断企画 学会企画以外として2つのテーマを企画しました。
『低侵襲時代における若手教育と開胸手術教育』 低侵襲手術は3分野に広く普及し、若手外科医の中には開胸手術の経験がない先生もいる状況です。しかし、術中トラブル時や高難度手術など、開胸が必要な場面は未だに存在します。世界に誇る我が国の治療成績を維持・向上していくためには、これまで培ってきた経験の伝承が不可欠です。 本企画では、各分野における新時代の若手教育法の提示と共に、開胸手術の適応と手技を如何に伝えるかについて現状と課題について議論して頂きます。
『震災時の胸部外科診療』 我が国は、これまで数多くの地震を経験し、多くの人の命と生活を失ってきました。 “南海トラフ地震”も最近アラートが出され、現実味を帯びてきています。 我々胸部外科医は、現時点で何を備えるべきか、これまでの経験から学び、行動する必要があります。そのため、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震の際に現地で活動された先生の経験を互いに共有することで胸部外科学会としてすべきことが模索できればと考えます。
食道分野の特徴 食道外科医のみが集まる唯一の学術集会としてその特徴を生かし、外科に特化した企画を組みました。International sessionでは、手術の概念を左側臥位から腹臥位へと変えたインドのPalanivelu先生による基調講演の後、世界のロボット支援食道切除術に関するRCTの結果と現状について議論します。 cT4(Aorta)食道癌に対するTEVARの企画では、緊急TEVARで豊富な経験を有する東京慈恵医科大学の大木隆生先生の基調講演を、トラブルシューティングの企画では慶應義塾大学呼吸器外科の大久保祐先生に気管ステントの基調講演をして頂く予定です。 また、胸部大動脈術後の大動脈−食道瘻に対する治療戦略の企画では心臓血管外科医と議論を交わし、上縦隔・分岐部郭清の手技と理論の企画では呼吸器外科医と意見交換する予定です。若手食道外科医注目の食道外科専門医セミナーも勿論開催し、合格者の貴重な経験や試験問題の解説を行います。 領域を超えて他分野の専門家の講演が聞ける貴重な機会です。是非多くの先生に参加して頂ければと思います。
全員懇親会 コロナ禍も落ち着きを見せており、今回は盛大にやります。勿論、皆さんご期待の「近大マグロの解体ショー」もやります。全身トロの近大マグロに舌鼓を打ち、大阪ならではの食を堪能して頂ければと思います。そして、「大阪が世界に誇るスペシャルパフォーマンス」も用意しています。絶対に損はさせません。多くの先生方のご参加をお待ちしています。
以上、第78回日本胸部外科学会定期学術集会についてご紹介しました。分野会長の湊谷先生、伊豫田先生と共に工夫に工夫を重ねて準備をしてきました。参加の先生方の記憶に残る学術集会になればと願うばかりです。でも、学術集会を盛り上げるのは参加された先生の発表や発言と質疑応答です。是非、多くの先生方の能動的な参加を期待しています。 では、大阪の地でお会いできますことを心よりお待ち申し上げます。
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安田 卓司 所属施設:近畿大学医学部 外科学教室 上部消化管部門 卒業大学:大阪大学 医学部 経 歴:1986年 大阪大学医学部第二外科 入局 1987年 大阪府立成人病センター 外科レジデント 1991年 大阪大学細胞工学センター 研究生 1994年 大阪府立成人病センター 外科(食道) 医員 2000年 大阪大学大学院 病態制御外科 助教 2002年 大阪大学大学院 病態制御外科 学内講師 2005年 大阪大学大学院 消化器外科 学内講師 2006年 近畿大学医学部 外科 上部消化管部門 准教授 2013年 近畿大学医学部 外科 上部消化管部門 主任教授 2014年〜2022年 近畿大学病院 副病院長 趣 味:映画鑑賞、バスケットボール 好きな言葉:Where there is a will, there is a way
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【湊谷 謙司 分野会長(心臓)挨拶】
―心臓分野会長の挨拶ー
この度、第78回日本胸部外科学会定期学術集会心臓分野会長を拝命いたしました、京都大学心臓血管外科の湊谷です。伝統ある本学会の分野会長を務めさせて頂く貴重な機会を与えていただきました学会役員、会員の皆様に心より感謝申し上げます。2年前から安田卓司統括会長の素晴らしいリーダーシップのもと、伊豫田明呼吸器分野会長とともに少しでも目新しさを持つ学術集会を目指して議論を重ねて参りました。また、特に心臓分野においては、フレッシュなプログラム委員会とともにプログラムを練って参りました。多くの会員の皆様からもいろいろなアイデアをご提供いただいたことに深く感謝申し上げます。また、関係各位の皆様のご協力に厚く御礼申し上げます。 これまで学会に単なる参加者として何度も足を運んでいましたが、実際にプログラムの準備をしてみると余りの作業の多さに驚かされます。今更ではありますが、改めて、これまでの学会長の先生方をはじめとする皆様のご尽力に感謝いたします。
心臓血管外科関連の学会は、地方会や海外の学会までも含めると毎週のように行われています。正直なところ、目新しいテーマとなるような革新的な医療技術が毎年生まれるはずもありません。そこで、今年の胸部外科学会学術集会では、指定演者をやや多く取り入れることで絞り込んだテーマに沿った講演をしていただき最新の情報を得るとともに、そのテーマに沿った公募演題を採用するという方針としました。これはヨーロッパ胸部外科学会(EACTS)学術集会の最近のスタイルに近いものです。その結果として、上級演題への公募枠が減ったことについてのご批判が多く、この場を借りてお詫び申し上げます。その代わりに公募枠の口演は一般口演とミニオーラルを合わせて386題の枠を確保しておりますし、また口演時間は、質疑応答を含めると一般口演で10分、ミニオーラルで6分と昨年よりも少し長めにしています。なお、全体の採択率は54.5%で、上級演題の採択率は31.1%でした。昨年度の学術集会の方針を踏襲してポスター発表はありません。ミニオーラルの部屋は小さいですが、今年はオープンスペースでの発表ではないのでポスターによる発表よりも集中して議論できるのではないかと期待しています。
会場のセッティングとして、分野別に会場を同一階に固定することで、プログラムを見ながら効率的に会場間を移動できるようにしています。また、先天性心疾患領域は第4会場に固定し、先天性心疾患以外の領域が同時間に重ならないようにセッション時間を編成しています。ただし、優秀演題を含む特に高評価の一般口演は大ホールである第1会場で行っていただきます。特に議論することが何よりも重要でありますので、質疑応答の時間を確保すべく演者の先生方には時間を厳守しての発表を強くお願いする次第です。時間を超過する独演会ではなく、質疑を意識した短めの発表を歓迎いたします。
特別講演では、心臓移植をはじめ、数多くの医学系著作を発表されているノンフィクション作家、後藤正治氏をお招きし、お話を伺います。多岐にわたるテーマでご活躍される後藤氏のお話は、きっと皆様にとって興味深いものとなるでしょう。大谷翔平選手が野球界で伝説を築くように、最近、多くの日本人胸部外科医が海外で目覚ましい活躍を見せています。しかし、かつて長嶋茂雄氏が球界を席巻したように、医学界にも世界的な偉業を成し遂げた日本のレジェンドが存在します。川副浩平先生、北村惣一郎先生、須磨久善先生(五十音順)という、日本を代表する先駆者たちの功績は、私たちに大きな勇気を与えてくれるはずです。国内外のエキスパートが集結するAATS/JATS Aortic symposiumも前日の10月22日に開催いたします。Texas Heart CenterのDr. Coselli、Dr. Moon、Dr. Oderichを始め、Dr. David、Dr. El-Hamamsy、Dr. Schoenhoffらの参加が決まっています。多くの先生方は本学術集会でもご講演をお願いしておりますが、最先端の大動脈外科の知識を学ぶ絶好の機会ですので、是非合わせてご参加ください。 ロビーやホスピタリティルームを含めて、参加する先生方の熱い議論が学会を盛り上げます。何卒ご協力の程、心よりお願い申し上げます。胸部外科を更に盛り上げましょう。
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湊谷 謙司 所属施設:京都大学 心臓血管外科 卒業大学:京都大学 医学部 経 歴:1987年 天理よろづ相談所病院 臨床研修医 1989年 京都大学医学部附属病院心臓血管外科医員 1990年 社会保険小倉記念病院心臓血管外科医員 1994年 米国ニューヨーク州立大学バッファロー校外科リサーチフェロー 1995年 社会保険小倉記念病院心臓血管外科医員 1996年 加国トロント総合病院心臓血管外科クリニカルフェロー 1997年 国立循環器病センター心臓血管外科医員 2000年 独国ハノーバー医科大学胸部心臓血管外科クリニカルフェロー 2001年 米国ベイラー医科大学胸部外科クリニカルフェロー 2002年 国立循環器病センター心臓血管外科医員 2009年 岩手医科大学附属病院循環器医療センター心臓血管外科講師 2010年 同上 准教授 2011年 国立循環器病センター心臓血管外科部門血管外科部長 2016年 京都大学大学院器官外科学講座 心臓血管外科学 教授 |
【伊豫田 明 分野会長(呼吸器)挨拶】
-分野会長(呼吸器)を拝命してー
この度、第78回日本胸部外科学会定期学術集会分野会長(呼吸器)を拝命しました東邦大学医学部外科学講座呼吸器外科学分野 伊豫田 明(いよだ あきら)です。東邦大学は1925年(大正14年)に帝国女子医学専門学校として額田豊先生、額田晉先生によって創立され、今年創立100周年という記念すべき年を迎えて、本年6月15日東邦大学創立100周年記念式典が盛大に開催されました。その貴重な年に東邦大学として初めて会長を仰せつかることを大変光栄に思っております。
今回のテーマ『勠力共振-Advancing togerther with solidarity, collaboration, and resonance』のごとく、日本胸部外科学会の3領域が全員の力を結集し調和をはかりながら一致協力して活動するために、各分野毎に充実したプログラムを編成し、さらにより高みを目指し領域を越えた活発な議論ができる場を作ることによって、先生方の診療に役立つ学術集会となるよう毎日準備に取り組んでおります。私が担当します呼吸器分野の上級演題は、肺腫瘍、肺非腫瘍、肺移植、縦隔、胸壁/胸膜、手術手技/低侵襲手術/拡大手術/新技術の6分野に分かれ、33名の先生方にプログラム委員としてご就任いただき、各分野から領域横断を含めた多くのプログラム案をご提出いただきました。その後、会長会議を重ね、呼吸器分野として28の上級演題、呼吸器外科が関連する3つの領域横断セッションを準備することができました。呼吸器分野の上級演題はシンポジウム5,パネルディスカッション9、ワークショップ6、テクノアカデミー6、ディベートおよびSurgical Colosseumが各1にて構成され、多くの参加される先生方が十分に討論できる機会を作りました。肺癌に対する拡大手術、低侵襲手術、ロボット支援下手術などテクニカルスキルを中心に、胸腺・縦隔腫瘍、中皮腫、転移性肺腫瘍などの腫瘍性疾患に加え、外科医教育、周術期管理、術後合併症、難治性気胸、肺移植、膿胸、炎症性肺疾患、縦隔炎、乳び胸、胸郭変形などについて呼吸器外科に関連するほぼ全ての分野を網羅する上級演題を組むことができましたことは大変うれしくご協力いただきました安田卓司会長、湊谷謙司会長に深く感謝いたします。特に、常に肺癌関連のセッションが続くのと並行して肺移植についての上級演題で4つのセッションを企画でき、呼吸器外科に関連する学会としては本学会のスケールメリットを生かせたと考えております。呼吸器分野から発案の領域横断セッション「震災時の胸部外科診療」では、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震を経験された先生方から、今後起こるであろう大震災に向けて我々胸部外科医が何を備えればよいのかを学ぶ場としてご講演いただきます。「技術革新時代の外科医教育」では、著名な演者の先生方によって国内外の女性外科医教育など外科医教育の現状をお話しいただき、「ロボット呼吸器外科手術の現在地を探る: さて、その機種はどうなの?」では、様々なロボット手術の機種について今最も推奨されるロボット機種は何かという、人気のセッションで演者の先生方に論じていただきます。ご協力いただいたプログラム委員の先生方に改めまして御礼申し上げます。
さらに、第77回学術集会から始まりましたAATS(American Association for Thoracic Surgery)/JATS International Thoracic Surgical Oncology Summit(ITSOS)は、第78回学術集会におきましても継続して開催いたします。AATSからは昨年と同様、AATS Board memberの先生方が御参加予定です。さらに、海外招請講演は、Dr Valerie W Rusch、Dr Gunda Leschber、Dr Diego Gonzarez Rivas、重村周文先生をお呼びしておりますのでご期待ください。
加えて、一般口演、ミニオーラルセッションを多数企画し、3学会合同呼吸療法士認定制度発足30周年記念講演会、若手呼吸器外科医の会、単孔式胸腔鏡手術研究会も開催され、ランチョンセミナー、イブニングセミナーも盛りだくさんです。おそらく、参加された先生方は、「あれも聞きたい、これも聞きたい」と、何を聞こうか大変悩まれることと思います。それくらい魅力あるセッション、演題を準備していただきましたので、ぜひ3日間楽しんでいただければと思います。3日間参加は難しいという先生方も、1,2日間だけでも十分楽しめます。呼吸器分野は大阪国際会議場12階の3会場にほぼ集約されているため、移動も簡単で便利です。ホスピタリティー、休憩スペースも広く確保し、ゆっくりとくつろぎながら学会に参加していただけます。大いに勉強した後は、全員懇親会が待っています。
プログラムがほぼ組み終わっていよいよ開催日が近づいてきた実感がわいております。統括会長の安田卓司先生、分野会長(心臓)の湊谷謙司先生と力を合わせて、魅力ある有意義な学術集会となるようにギリギリまで準備を進めて参りたいと存じます。最後になりますが、このような機会をいただいた学会役員、会員の先生方に、心より感謝申し上げます。10月23日―25日、大阪に、多くの先生方、メディカルスタッフ、研修医、学生の皆さんにご参集いただき、大いに学び、大いに語り、大いに楽しんでいただけるよう近畿大学、京都大学の先生方とともにオール東邦(大森・大橋・佐倉)の呼吸器外科メンバーが大阪でお待ちしております。
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伊豫田 明 所属施設:東邦大学 医学部 外科学講座 呼吸器外科学分野 卒業大学:信州大学 医学部 経 歴:1991年 社会福祉法人 三井記念病院 外科レジデント 1995年 千葉大学医学部附属肺癌研究施設第一臨床研究部門(肺外科) 1998年 千葉大学医学部 助手(肺癌研究施設病理研究部門) 2001年 千葉大学医学部附属病院助手(呼吸器外科) 2008年 北里大学医学部准教授(呼吸器外科学講座) 2009年 Memorial Sloan-Kettering Cancer Center Visiting Investigator 2013年 東邦大学医学部外科学講座呼吸器外科学分野 教授 2019年 東邦大学医療センター大森病院 呼吸器センター長 2025年 東邦大学医療センター大森病院 がんセンター長 趣 味:映画鑑賞、旅行 好きな言葉:自然・生命・人間(東邦大学 建学の精神) |
2.フェローシップ受賞者留学体験記
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2024年度JATSフェローシップ(呼吸器外科分野) Medical University of Vienna 矢澤 友弘
この度、2024年度JATSフェローシップで3ヶ月間、オーストリア共和国ウィーン市にあるMedical University of Viennaで留学させて頂きました。私はかねてより臨床留学がしてみたいという気持ちがありました。日本では肺癌手術で肺移植の技術を応用した自家肺移植が行われ始めており、いつかこの手術をやってみたいという気持ちがありました。この手術を行うためには肺移植を勉強が必要ですが、自施設では移植を行っていないため、どこで研修すべきかを考えておりました。そんな時にJATSフェローシップの募集を目にし、これはチャンスかもしれないと思いました。3ヶ月という短期間で集中して肺移植を学ぶには症例数の多い所が良いと考え、この施設を希望して応募しました。JATSフェローシップでは留学が短期間であることからobserverとして参加することが多くなっているようですが、Clemens Aigner教授の計らいにより、clinical fellowとして参加することができました。 こちらの施設では年間約120件程度の肺移植に加え、気管の手術や進行肺癌に対する術前化学免疫療法後の拡大手術も多く行われておりました。これらの手術に実際に手洗いをして術野に入り、Aigner教授を始めとした多くの先生方から手術指導を受けることができました。留学の最後にはVienna Lung Failure and Transplantation Symposiumが開催され、Aigner教授に招待頂き、ヨーロッパで多い肺移植に関連する疾患や移植について、また気管関連の手術に関する講演を聞けたことも大変勉強になりました。 今回の留学では、人種差による有病率の違いから、日本ではあまり経験できない症例を多く経験でき、施設による手技の違いや実際に術野に入り数多くの症例を経験できたことは学びを深める絶好の機会になりました。若い会員の方々には言葉の壁を気にすることなく是非海外での研修も選択肢に入れて勉強して頂ければと思います。意欲を持って行動すれば海外の施設でも“学びたい”をサポートしてくれるスタッフは沢山いると思います。 最後に、本フェローシップを支えて下さった理事長の千田雅之先生、国際委員長の齋藤綾先生、留学の機会を与えて頂きました佐藤幸夫先生を始めとするJATSの関係者の皆様、ご支援頂いたスポンサー企業、留学を快諾して下さったウィーン医科大学関係者の皆様、そしてご推薦頂いた上吉原光宏先生と多忙な業務を代行して下さった群馬大学呼吸器外科の先生方に、この場をお借りして心より御礼を申し上げます。
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矢澤 友弘 所属施設:群馬大学医学部附属病院 卒業大学:群馬大学 経 歴:2012年 群馬大学医学部附属病院 初期研修 2014年 群馬大学医学部附属病院 呼吸器外科レジデント 2016年 国立病院機構高崎総合医療センター 呼吸器外科 2018年 前橋赤十字病院 呼吸器外科 2021年 群馬大学医学部附属病院 呼吸器外科 趣 味:ロードバイク、マウンテンバイク、ジョギング、テニス 好きな言葉:When life gives you lemons, make lemonade. |
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