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No.582020年10月号)

INDEX

1.胸部外科チーム医療最前線『NPが活躍する施設を追う!』
2.第73回日本胸部外科学会定期学術集会案内
3.2020年度第4回理事会ニュース

1.胸部外科チーム医療最前線『NPが活躍する施設を追う!』

奈良県総合医療センター 心臓血管センター

所在地 :奈良県奈良市7条西2丁目897-5 診療看護師の所属 :看護部
心臓血管外科医数 :6名 同上 インセンティブ :有
病床数 :540床 同上 勤務シフト :日勤のみ
手術症例数 :230例 同上 手術参加 :有
【心臓血管外科医師】
PAN(Physician Assistant Nurse)が医療の質と患者の満足度を押し上げる!
 2018年5月に奈良県総合医療センターが新病院へ移転して、初めて心臓血管外科診療が始まりました。ゼロからの出発です。このため、手術するためのチーム作りがまず必要でしたし、ICU管理、病棟管理にしても心臓血管外科術後管理の経験看護師がほとんどいない中でのスタートでした。心臓血管外科医はベテラン2人と若手2人の4人だけだったので隅々まで目がいき届きません。そんな時に、市川君が赴任してきてくれました。手術室看護師であったキャリアを生かして心臓血管手術につく看護師の指導はもちろん、第二助手、第一助手としても手術に参加しました。助手の医師の代わりをするので5人体制と言っても過言ではなく大いに助けられました。彼のすごいところは、手術室に限らず、病棟や外来においても活躍していることです。様々な代行業務はもちろんのこと、術後処置(ドレーン抜去など)や創傷処置(VAC療法など)から外来での胸腔穿刺に到るまで対応します。また、患者の状態把握もよくでき逐一報告します。外来から入院まで一貫して診療に携わっているので、患者さんとの人間関係もできていますし、人によっては医者以上に信頼を寄せている患者もおります。各部署に所属する看護師の縦割り体制ではこのような関わりはできません。診療の質を上げるためにも、また、患者の満足度を上げるためにも看護師のマインドを持ちながら大学院で質の高い教育を受けたPAN(Physician Assistant Nurse)の存在は不可欠であり、より多くの入職を願っています。

2020_10_yamanaka(160×190).jpeg (8 KB) 山中 一朗
【診療看護師】
医療現場の”隙間”を埋める。
 近年、様々な問題を抱える患者・高齢者が増加し、よりきめ細やかな対応が必要になってきています。医療の質・安全性が求められながら、医師の働き方改革にも関心が集まり、診療看護師(NP)が活躍する場面はさらに増えていくのではないでしょうか。
 奈良県総合医療センター心臓血管外科では、医師とNPが役割を相互理解し、円滑に活動を開始することができました。私は心臓血管外科の一員として、入院前から退院後まで、すべての診療プロセスに関わるようにしています。初診時から患者・家族と関係性を構築しつつ、心理面や社会面を含めた総合的評価と手術リスク評価をおこない、多職種と連携しながらリスクへ介入し、治療の意思決定をサポートしています。入院中の患者に対しては、医師の代行業務や医療処置など診療補助的な役割が多くなりますが、ある場面では看護師のように、ある場面ではPA(Physician assistant)のように振る舞っています。どちらも、医療現場で生まれてしまう医療の”隙間”を埋め、チーム医療を推進し、医療を円滑に提供するために重要な役割だと考えています。これは大学院教育で、PAN(Physician Assistant Nurse)という概念を学び、総合的な医学教育・臨床研修を受けたからこそ実践できる内容だと感じます。
 医師・多職種と協働しながら「患者中心の医療」を提供していくことが私のやりがいです。これからも医療の質・安全性を向上するため尽力していきたいと考えています。

2020_10_ichikawa(160×190).jpeg (12 KB) 市川 慶幸

2.第73回日本胸部外科学会定期学術集会案内

第73回日本胸部外科学会定期学術集会
テーマ:
 Future Prospectives

会期:

 LIVE配信 2020年10月29日(木)~11月1日(日)
 オンデマンド配信 2020年11月9日(月)~2021年1月8日(金)
 ※一部セッションでは、上記期間に該当しない場合があります。
会長:
 碓氷 章彦(名古屋大学大学院医学系研究科 心臓外科学)
分野会長(呼吸器):
 長谷川 誠紀(兵庫医科大学 呼吸器外科)
分野会長(食道):
 丹黒 章(徳島大学大学院医歯薬学研究部 胸部・内分泌・腫瘍外科学分野)
URL:
 https://jats-meeting.org/
主催事務局:
 名古屋大学大学院医学系研究科 心臓外科学
 〒466-8550 愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65
 Tel:052-744-2376
学術集会事務局:
 特定非営利活動法人日本胸部外科学会
 〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-27 テラル後楽ビル1F
 E-mail:jats-gakkai@umin.ac.jp

■プログラム、WEB視聴方法
 詳細はHPをご確認ください。
■Postgraduate Course(予定)
 心臓血管外科Basicコース、心臓血管外科Advancedコース、呼吸器外科コース、食道外科コース 
いずれもオンデマンド配信にて、開催いたします。
■プログラムスケジュール
 10月28日(水)前日:評議員会
 10月29日(木)1日目: JATS Case Presentation Awards、各分野LIVE配信プログラム
 10月30日(金)2日目: 分野会長講演(食道)、特別講演、各分野LIVE配信プログラム
 10月31日(土)3日目: 理事長講演、分野会長講演(呼吸器)、各分野LIVE配信プログラム
 11月 1日(日):会長講演、最優秀演題、各分野LIVE配信プログラム
 11月 9日(金)~:LIVE配信セッションのオンデマンド配信開始(2ヶ月間)

3.2020年度第4回理事会ニュース

日時:2020年6月29日(木)13:00~17:00
場所:日本橋ライフサイエンスハブ 8F A会議室

前回第3回理事会議事録(案)及びニュース(案)が確認された。当該理事会はCovid-19緊急事態宣言が発出され、紙上開催とし、審議事項は持回審議を実施し承認されたことが報告された。(フィブリノゲン製剤適応拡大最終承認、ASCVTS 2021寄付金、選挙評議員定数、第3回JATS Research Project Award最終承認、TAVIワークショップへの学会協賛金、呼吸器外科専門医システム改修費用、理事会・委員会のWEB開催)

1.各種委員会報告及び審議事項
(1)理事会
1)名誉会長・名誉会員・特別会員は定款・施行細則に則り推戴され承認された。役員歴基準年数は継続審議となった。
2)役員立候補案内文書(次々期統括会長・次期分野会長・理事及び監事)が提出され、承認された。
3)今後の理事会・委員会開催方法および会場は、感染症の影響のため理事会は広い会場で開催すること(日本橋LINK-Jと契約締結すること)、総合将来計画委員会および一部委員会は本会会議室で対面開催、委員会は原則としてWEB開催とすることが提案され承認された。

(2)総合将来計画委員会
第3回議事録が提出され、理事長諮問事項を実現すべく各委員会の方向性を検討し、これに基づき次の通り具現化していくことが報告された。
1)財務委員会委員長に総合将来計画委員会委員を委嘱し、新たに財務WGを設置した。経費節減策として、事務所費(WEB会議導入による会議室・事務局スペース再検討)、会誌編集費(電子版購読費・紙媒体費・投稿料徴収)、学術集会(Web開催)を検討した。
2)三分野会長制は本年および次年度の呼吸器外科系の演題応募数・参加者数を解析し検討する。
3)若手組織体制は心臓・呼吸器若手組織と意見交換システム作りを推進する。
4)事務局移転・あり方WGは心血機構事務所費再検討、一社として委託事業の受入、利便性よくコンパクトな事務所とし固定費削減を検討する。
5)評議員(本年から425名に増員)は女性増員推進を図るため次回総合将来の議題とする。

(3)専門医制度委員会
1)医道審議会
サブスぺ領域の在り方に関するワーキング報告書が提出され、視点(国民にわかりやすいものか、地域医療提供体制に影響を及ぼさないか、医学の観点、専攻医キャリア形成)と分類(連動研修を行える領域、連動研修を行わない領域、少なくとも1つのサブスぺ修得後に研修を行う領域)、新整備基準ができてからのスタートとなることが説明された。
2)心臓血管外科専門医認定機構
 6/1心血機構総会での決定事項(専門医試験延期、修練責任者変更承認、更新資格1年延長、Off JTオンライン指導承認、WEB開催での地方会0.5単位承認、WEB開催での共通講習や外科領域講習を検討等)が報告された。
3)呼吸器外科専門医合同委員会
  新規申請者数および試験会場を大会場に変更したこと、呼吸器外科学会延期のため参加とみなし仮受付すること等が報告された。
4)食道外科専門医
  申請受付、試験予定、受験者数が報告された。

(4)正会員選出委員会
専門医資格有資格者169名申請、全員合格判定されたことが報告され承認された。

(5)選挙管理委員会
選挙評議員定数400名、選出387名(女性8名)、投票率46%であったことが報告され承認された。

(6)推薦評議員候補者選考委員会
候補者38名(選挙評議員欠員・女性・各地域等)が推薦され承認された。

(7)会誌編集委員会
優秀論文5名を選出したことが報告され承認された。投稿状況(新規371編、Accept数116編、Accept 率30%以下、平均所要期間Online First 2週間、冊子体延びる)、掲載数状況112編、Citation Report IF 2019は1.064、Special Edition: Diagnosis and Treatment for Early Stage Non-small Cell Lung Cancer(12編)8月号出版予定であることが報告された。懸案事項として、優秀論文はOR論文数が増加し審査方法を再検討すること、IF向上、論文のqualityとrejectの基準、出版費用の削減が挙げられ検討する。

(8)学術委員会
Annual Report 2018は呼吸器・食道領域は執筆済み、2019は予備集計解析しており執筆に移る、2020は調査項目検討中、福島原発論文は反論論文を掲載(JAHA掲載料は本会から支出)、消化器外科データベース関連学会協議会の参加関連資料が提出され昨年同様パターンB(参加料同額)が承認された。

(9)学術集会委員会
外国人名誉会員へのメダル・賞状はWEB授与式を実施することが提案され承認された。
1)第72回学術集会
演題登録1,432、採用1,074(75%)、参加者3,608名(海外84名)で過去最高、アジアトラベルグラント(当日キャンセルが問題)、収支計算書が提出され盛会裏に終了したことが報告された。
2)AATS/JATS Aortic Symposium in Kyoto 2019
第1回として学術集会後に実施し、参加者138名、収支決算書が提出され有意義であったことが報告された。問題点として1.学術集会翌日で日程的に参加困難でまた内容が重複していること、2.AATSとの関係性の問題が指摘され、日程変更等含め検討することとなった。本年はバーチャル開催を予定しており時差問題も検討が必要である。
3)2020年度第73 回定期学術集会
1.開催形式(ハイブリッド開催、会場出席は理事会役員・座長約100名、演者はWEB発表)、2.PGC(会員5,000円、非会員10,000円)、3.プログラム集(PDFダウンロード形式)、4.評議員会(10/28水16:00~18:30にZOOMウェビナー開催)、5.参加方法(評議員・名誉会員・特別会員はZOOMウェビナー参加、陪席者はLIVE配信動画視聴)、6.参加費(評議員20,000円、評議員以外の正会員15,000円、一般会員15,000円)、7.収支予算書(15,000万円)、8.演題数1,182題(心臓721・肺398・食49)、9.参加登録(ID/PW入室)、発表(2週間前までにPPで提出)等が提案され、承認された。
懸案事項として、1.会場出席人数とWEB開催チャンネル数、2.日程表、3.企業セミナー、4.外科領域講習・共通講習、5.スポンサーCM・3Dバーチャル展示、6.各施設でのWEB視聴時間と勤務時間の問題、7.ライブ・オンデマンドの方針等が挙げられ検討する。AATS/JATS Mitral Conclaveは日程含め総合将来計画委員会で方針を決め、国際委員会・学術集会委員会と協力し詳細を検討する。
4)2021年度第74回定期学術集会
10 月31 日(日)~11 月3 日(水)、グランドプリンスホテル新高輪にて開催することが報告されたが、会場キャンセルポリシーを確認することが指摘された。
5)2022年度第75回定期学術集会
10 月5 日(水)~8 日(土)、パシフィコ横浜にて開催、AATS/JATS Mitral Conclaveは10 月9 日(日)、運営会社は第73回を検証し決定することが報告され、通常開催として会場予約をするかキャンセルポリシーを確認することが指摘された。⇒本件は後日持回審議を実施し通常開催とすることが承認された。(キャンセルポリシーは2年後のため確認困難)

(10)財務委員会
NPO法人および一般社団法人の2021年度予算案が提出され承認された。一般社団損益予算書は胸部外科領域の専門医等の認定及び教育事業を入れることが説明された。

(11)倫理・安全管理委員会
医療事故調査外部委員長を1名推薦したこと、医療安全講習会はCOVID-19関連としライブ・オンデマンド配信をすることが報告された。

(12)診療問題委員会
Covid-19感染拡大のため厚労省(日本医学会)から汎用され安定確保に特に配慮が必要な医薬品の選定依頼があり本会から10医薬品を選定したこと、「一酸化窒素吸入療法」に関する手術日当日の診療報酬算定要望書提出に承認が得られたこと、呼吸器でも同要望があり案を作成することが報告された。

(13)研究・教育委員会
各選考研究においてNCDやJCVSDなどのデータを利用した研究にはスーパーバイザーを、その他の研究(主に『JATS Research Project Award』)には進行管理者を設置すること、第3回JATS Research Project Awardの採否通知連絡を行ったこと、NCD データを利用した複数領域にまたがる新規研究課題の進捗状況、TAVI ワークショップへの対応状況、サマースクール(呼吸器外科および心臓血管外科)は感染症の影響により本年度の開催は中止となったこと、ニュースレターNo.54にJATS Academy関連記事を掲載したことが報告された。3 学会合同PGC 委員会からは『学会WEB 開催におけるセミナー対応MTG』議事録が提出された。

(14)広報委員会
第1回委員会議事録が提出され、Web サイトリニューアルの『目的』と『現状の課題点とリニューアル要件』について説明され承認された。医学会実績を有する制作会社を中心に選定予定。ニュースレターメール(2020年7月開始、月1回配信)、本会Webサイトへの学会情報・リンク掲載依頼への対応方法、バナー広告依頼、SNS対応の見送りが報告された。

(15)総務・渉外委員会
一社日本胸部外科学会職員の業務分担一覧が提出され承認された。医師賠償保険会社の個人情報問題(一部会員対象)は個別対応を依頼した。

(16)定款改訂委員会
一般社団法人化委員会から役員(理事・監事)選挙は施行細則の改訂が必要とのことで改訂案が提出され、検討の結果、承認された。

(17)臓器移植委員会
肺移植希望者並びに心肺同時移植希望者の選択基準が一部改正、新基準適用、小児心臓移植認定施設、臓器移植法改正10周年啓発活動再検討、肺移植のためのガイドブックの改訂作業が報告された。

(18)胸部外科医労働環境委員会
第73回定期学術集会の特別企画(働き方改革と男女共同参画関連)について、1.With Corona 時代の胸部外科医の働き方、2.2024年問題を切り抜けるために、3.男女共同参画が提案され承認された。
ICU 術後管理パッケージWG 委員会報告
WEB会議を開催し、特定行為区分「循環動態に係る薬剤投与関連(8)」の中の「持続点滴中の利尿剤の投与量の調整(4)」は再確認を行い、パッケージから外し、5学会で厚労省に要望書を提出したことが報告された。

(19)国際委員会
第73回学術集会と協力し海外交流、また、MOU関連交渉等を検討することが報告された。

(20)COI委員会
改訂版を作成中で次回理事会には提出予定である。

(21)地方会のあり方委員会
本会と地方会の一体化事業は2020年8月から開始となり、本年のJATS case presentation awardsは感染症の問題から各地方会毎に検討し推薦いただく。

(22)J-MACS委員会
2021年4月以降の体制の検討、2019年施設訪問監査、2020年監査予定が報告された。

(23)一般社団法人化委員会
1)4月1日、現理事を社員として登記され設立されたこと、8月1日、全会員が一社の会員となることが報告された。
2)役員(理事・監事)選挙は、評議員会(社員総会)前に実施し、選任して臨む必要があり、評議員会に出席できない場合は事前に書面評決(メール等で選出された役員を承認できるようにしなければならない)をとる必要があることが行政書士から指摘され、ついては次の通りの手順とすることが説明され承認された。大前提として1.一社の施行細則の改訂(定款改訂委員会に申し送り)、2. 評議員会開催前までに選挙および審議事項を検討し承認をとる。(評議員会2週間前までにHP掲載し書面評決をとる)

3.2020年度理事会開催スケジュール
第5回(9/16 (水) 13~17)、臨時(プレ評議員会:10/28 (水)12:30~13:30⇒変更予定)、新旧引継(10/31(土)朝7~8:00⇒変更予定)が報告された。

4.その他
(1)外保連分担金依頼は決算書等の資料が提出され承認された。
(2)日本医師会疑義解釈委員推薦依頼あり、現委員が継続して推薦された。

編集後記
広報委員会委員 岩田 尚
 今月末より、第73回日本胸部外科学会定期学術集会が名古屋の地において開催されます。このコロナ禍におけるこの学会の開催には、碓氷会長、長谷川分野会長(呼吸器)、丹黒分野会長(食道)並びに主催関係者の皆様のご苦労は計り知れないものであったと推測いたしております。一方で「WEBを基本としたハイブリッド」開催は、日ごろ忙しくて、少ししか参加できない若手胸部外科医もそれぞれの施設で参加できるもので、より多くの会員の先生方が参加されるものと期待しております。すでに学会主催者からは、メールによる学会プログラムのトピックス等の通知など、学会参加を促す素晴らしい試みもなされています。各先生のWEBでの御研究発表は、会場の熱が伝わらないなどの問題点もございますが、色々な機能を通してより議論を掘り下げることもできる可能性を秘めていると思います。これからの時代、この体制に順応してよりよい議論の場にしていかなくてはならないものでしょう。大変な期待と共に、この学術集会ならびに今後の日本胸部外科学会が益々発展していきますように切に願う次第です。
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