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No.612021年3月号)

INDEX

1.第74回定期学術集会 演題募集中
2.2020年度優秀論文賞受賞者の声-優秀論文賞を受賞して-
3.第15回日本胸部外科女性医師の会(Woman in Thoracic Surgery:WTS in Japan)開催報告
4.2020年度第5回理事会ニュース
5.2020年度臨時理事会ニュース
6.2020年度新旧引継理事会ニュース
7.2021年度第1回理事会ニュース
8.会員専用「団体保険制度」新規・継続のご案内

1.第74回定期学術集会 演題募集中

2021年10月31日(日)~11月3日(水・祝)に開催されます、第74回定期学術集会の演題募集の受付をしております。
特別企画「<領域横断>胸部外科医の教育・トレーニング法のアップデート」ならびにDebateについても応募を受け付けています。
詳細は演題募集要項ページをご確認いただき、4月15日(木)正午までにぜひご応募ください。

2.2020年度優秀論文賞受賞者の声-優秀論文賞を受賞して-

心臓血管外科

木下 修(東京大学大学院医学系研究科 心臓外科)

Lanthanum carbonate, a phosphate binder, inhibits calcification of implanted aortic allografts in a rat model

 この度は名誉ある日本胸部外科学会の優秀論文賞に選出いただき、大変光栄に存じます。査読ならびに選考に関わられた先生方に心より御礼申し上げます。
 本論文はホモグラフトの移植後に生じる石灰化がリン酸バインダーである炭酸ランタンを投与して抑制されることを、ラットを用いた動物実験で示したものです。ホモグラフトは移植後数年で動脈壁の高度石灰化が生じやすく、特に若年患者でその傾向が強いことが知られています。医局の先輩である山内治雄先生が、若年者の生理的高リン血症がホモグラフトの移植後石灰化傾向の一因と考えられることを実験で示され、これをヒントにして、透析患者の高リン血症治療薬として用いられる炭酸ランタンでホモグラフトの移植後石灰化が抑制されることを示しました。慢性腎不全で維持透析を行っている患者は、高リン血症に陥りやすく動脈などの石灰化が生じやすいため、食餌からのリンの吸収を抑制するリン酸バインダーを服用していますが、大学院生の頃に透析クリニックで外勤をしていた際にこの研究のアイデアが浮かびました。東大病院では1998年から心臓弁・血管のホモグラフトを扱う組織バンクを運営しており、ホモグラフト治療のために紹介された患者に担当医として多数関わる中で、ホモグラフトの移植後石灰化という臨床的課題を見つけ、それに関して研究・実験をすることができたのは外科医として非常に有意義だったと感じています。
 本研究はかなり前に行っていたものの、臨床業務の忙しさを言い訳に英語論文にしないでいた怠惰な私を小野稔教授と山内先生が叱咤激励して下さったおかげで本論文が出来上がりました。また、研究・実験遂行中は当時の指導教官であった高本眞一名誉教授(「たか」は正式には「はしごだか」)と本村昇先生から多大な御指導を賜りました。今回の受賞にあたり、この場を借りてお世話になった先生方に改めて深謝申し上げます。
2021_3_kinoshita(160×190).jpg (8 KB) 木下 修
所属施設:東京大学心臓外科
卒業大学:東京大学
経歴:2001年 東京大学医学部卒業
   2001年 東京大学医学部附属病院 外科 研修医
   2005年 東京大学医学部附属病院 心臓外科
   2005年 旭中央病院 心臓外科
   2007年 東京大学医学部附属病院 心臓外科
   2010年 東京大学医学部附属病院 心臓外科 助教
   2019年 東京大学医学部・医学系研究科 心臓外科 講師
趣味:ダイビング、観劇
好きな言葉:人事を尽くして天命を待つ

左近 慶人(大阪市立大学大学院医学研究科 心臓血管外科学)
New insight into tricuspid valve anatomy from 100 hearts to reappraise annuloplasty methodology 

 この度は、栄誉ある胸部外科学会優秀論文賞を授与いただき光栄に存じます。査読いただいた先生、選考に関わられた先生に厚く御礼申し上げます。
 本論文の背景には、「三尖弁は本当に三尖?」という疑問がありました。皆さんも、一見すると前尖にcleftがあるような、あたかも弁尖が4枚あるような症例を経験されたことがありませんか?そのような症例では、リングの前-後尖交連のマーカーと、実際の交連部の位置がどうしても合わないことがありました。そこで、改めて三尖弁の解剖をゼロから見直すことになりました。もちろん、三尖弁の解剖の文献は昔からありますが、上述のような外科的視点で書かれたものはありませんでした。
 結果的に、三尖弁の約半数は4尖以上であり、後尖が2枚以上に分葉していること、前尖のcleft様に見えるものは単に前後尖交連部を見ていたということがわかりました。さらに、後尖が分葉するほど後尖の占める割合が大きくなり、前尖が小さくなるため、4枚以上の場合、前後尖交連部は前尖側に偏位することも示され、どうしても交連とリングのマーカーの位置が合わなかった理由が分かりました。
 例年、本賞を受賞される論文は、大規模な臨床研究や基礎実験のものが多く、そのような論文と肩を並べることになり非常に恐縮です。当教室の柴田教授の着眼は「既存概念にとらわれず目の前にあるものが真実。その臨床上の疑問点を解明できるテーマを見出す」ということであり、過去の病理解剖心100例以上を用いて本研究を行いました。また柴田教授と一緒に心臓の解剖実習にも参加し学生とともに三尖弁を観察しました。学位論文のために頂いたテーマが、このように賞をいただくことになり誠に感謝しております。
 最後になりますが、論文作成の際に協力してくれた同僚の先生方、ご指導いただきました統計学の新谷教授、病理学の大澤教授、解剖学の中島教授、そして大学院生活を支えてくれた愛すべき妻に心より感謝申し上げます。
2021_3_sakon(160×177).jpg (7 KB) 左近 慶人
所属施設:大阪市立大学医学部 心臓血管外科
卒業大学:大阪市立大学
経歴:2010年 大阪市立大学卒業
   2010年 大阪市立大学医学部附属病院 初期臨床研修
   2012年 神戸市立医療センター中央市民病院 心臓血管外科 後期研修医
   2015年 大阪市立大学大学院医学研究科 心臓血管外科学 博士課程
   2019年 大阪市立大学医学部 心臓血管外科 病院講師
趣味:モータースポーツ
好きな言葉:何かをしたい者は手段を見つけ、何もしたくない者は言い訳を見つける

呼吸器外科

遠藤 俊輔(自治医科大学 呼吸器外科学)

Risk assessments for broncho-pleural fistula and respiratory failure after lung cancer surgery by National Clinical Database Japan

 この度、栄誉ある胸部外科学会優秀論文賞を受賞させて頂き、誠にありがとうございます。
 受賞論文は、2014年から3年間にNational Clinical Database (NCD)の呼吸器外科領域に登録された全国の12万例超の原発性肺癌手術例のデータを用い、肺癌手術後の合併症である気管支胸腔瘻と呼吸不全の各々のリスク因子を検定した結果を発表したものです。今回取り上げた二つの合併症は、致死率だけでなく在院期間も極端に長くするもので、外科医にとっても医療経済的にも最も回避すべき合併症です。どちらのリスク検定も一致係数が0.85で、世界で類を見ない精度の高い肺癌手術後の合併症のリスクモデルをつくることができました。従来の手術は、外科医の技量と経験に基づいたものでしたが、医療機器の進歩および診断技術・術中の画像の共有などにより、今日では多くの手術が均霑化されてきた中で、患者さんの背景や術式をもとに高い確率で合併症を予測できるようになったことは、手術適応や術式を決定する際の客観的な判断材料となったばかりでなく施設間や術者のパーフォーマンスも自己評価できるツールになったとも言えます。
 現在、NCDは毎年多くのデータを集積できるプラットフォームとして成熟期を迎え、患者背景やロボット手術などの新規技術の評価にも対応できるデータプールですので、NCDを用いた様々な研究が本学会誌に投稿されることを期待しています。
 この賞は、NCD呼吸器外科領域を構築していただいた東京医科大学の池田先生、本論文の執筆に携わった共著者の先生、データ解析をお手伝いいただいたミスタービッグデータの宮田裕章先生、解析担当の福地様をはじめ常日頃NCDデータを登録していただいた全国の呼吸器外科医師の方々のご協力があって受賞できたと実感しております。あらためて皆様に感謝申し上げます。
2021_3_endo(160×190).png (45 KB) 遠藤 俊輔
所属施設:自治医科大学附属さいたま医療センター
卒業大学:筑波大学
簡単な経歴:1984年 筑波大学医学専門学群卒業
      1992年 自治医科大学 胸部外科学講座助手
      2008年 自治医科大学外科学講座 呼吸器外科学部門教授
      2016年 自治医科大学外科学講座主任教授 同附属病院副院長
      2020年  現職
趣味:カラオケ
好きな言葉:情けは人の為ならず

佐藤 雅昭(東京大学医学部附属病院 呼吸器外科)
Use of electromagnetic navigation bronchoscopy in virtual-assisted lung mapping: the effect of on-site adjustment

 この度は名誉ある胸部外科学会優秀論文賞を頂き誠に光栄に存じます。査読・選考に関わられた先生方に心より御礼申し上げます。
 本論文は、2012年に開発した、縮小肺切除手術支援のための気管支鏡下肺マッピング法であるVirtual-Assisted Lung Mapping (VAL-MAP)を、電磁誘導気管支鏡 (Electromagnetic Navigation Bronchoscopy: ENB) に応用した新たな方法、ENB-VAL-MAPに関する論文です。元々VAL-MAPは、微小肺結節に対して行われていたCTガイド下マーキングに伴う空気塞栓などのリスクを回避するために開発した方法で、先進医療を経て2018年より保険診療として実施可能となっています。VAL-MAP原法は、気管支鏡と連動していないバーチャル気管支鏡を見ながら行っており、これは地図を見ながら車を運転するようなものでした。GPSの原理を用いるENB-VAL-MAPでは、カーナビを見ながら運転するようにVAL-MAPが実施できます。
 また従来のVAL-MAPは、気管支鏡での色素マッピング後にCTでの確認が必須でしたが、ENB-VAL-MAPは全身麻酔導入後に実施しCTを省略することが可能で、患者さんの負担を減らすこともできます。本研究ではENB-VAL-MAPが、従来のVAL-MAPと同等の成績であることを示しました。本研究の成果もあり、2020年12月よりENBはVAL-MAPにも適応が広がりました。
 最近では、従来の色素に加え、気管支鏡下にマイクロコイルを留置することで3次元的なマッピングを可能にし、深部病変にも対応できるVAL-MAP 2.0の先進医療は極めて良好な成績を示し、また感度の高い蛍光色素を用いたICG-VAL-MAPも臨床応用が進んでいます。今後も臨床ニーズに応えられる研究を進めたいと思います。
2021_3_sato(160×189).jpg (8 KB) 佐藤 雅昭
所属:東京大学医学部附属病院 呼吸器外科
卒業大学:京都大学医学部医学科
簡単な経歴:1999年 京都大学医学部卒業
      2003年 トロント大学大学院 Institute of Medical Science(PhD)入学
      2008年 トロント大学 一般胸部外科・心臓外科・肺移植フェロー
      2011年 京都大学 呼吸器外科 助教
      2015年 東京大学 呼吸器外科 講師
趣味:読書
好きな言葉:急がば回れ

食道外科

仲西 慶太(国立がん研究センター中央病院 食道外科)
Efficacy of preserving the residual stomach in esophageal cancer patients with previous gastrectomy

 この度は名誉ある日本胸部外科学会優秀論文賞にご選考頂き、誠に光栄に存じます。ご査読頂いた先生方、並びにご選考に関わられた諸先生方にこの場をお借りして心より御礼申し上げます。
 本論文は私が国立がんセンター中央病院に所属していた際、日々の臨床業務が忙しいのは勿論、その合間を縫って精力的に臨床研究に取り組んでいる上級医や同級生・先輩の姿に刺激され、一念発起書かせて頂いた初めての原著論文になります。胃癌術後成績の向上に伴い増加傾向にある胃切除後の食道癌結腸再建時における残胃温存の有用性についてまとめました。胃切除後の食道癌手術時の残胃を温存するかどうかは一定のコンセンサスが無く、今回残胃温存群と残胃全摘群の臨床病理学的特徴および手術成績の比較に加え、栄養学的指標として近年注目されているサルコペニアのサロゲートマーカーと考えられる骨格筋量の比較を行いました。結果、残胃温存群は残胃全摘群に対して腫瘍学的観点からはその長期成績に差異は無い一方で、骨格筋量に関しては残胃温存群で有意に保たれることを示しました。本研究はあくまでも後方視的研究で症例数に限りがあり、限定的な結果ではあると思いますが一定の結果は示すことが出来たと考えており、本研究を礎として更にエビデンスレベルの高い研究へつなげることが出来ればと考えております。
 最後になりますが、本研究をまとめるにあたりご指導頂きました小柳和夫先生をはじめ多数の諸先生方の助けがあり、結果を論文化することが出来、その上名誉ある賞まで頂く事が出来たことをこの場を借りて深く感謝申し上げます。いつの日か諸先生方が体現されていた真の“Academic Surgeon”になれる様、リサーチマインドを常に持ち日々の臨床及び研究に邁進していきたいと考えております。今後も日本胸部外科学会の発展に貢献できるよう精進して参りたいと存じますので、ご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。

2021_3_nakanishi(160×189).jpg (9 KB) 仲西 慶太
所属施設:名古屋大学大学院医学系研究科 呼吸器外科
卒業大学:名古屋市立大学
経歴:2010年 名古屋市立大学卒業
   2010年 聖隷浜松病院 臨床研修医
   2015年 国立がんセンター中央病院
   2018年 愛知県がんセンター
   2020年 名古屋大学大学院医学系研究科 呼吸器外科 医員
趣味:スポーツ観戦(ラグビー)、読書
好きな言葉:面白き事もなき世を面白く 住み成すものは心なりけり

3.第15回日本胸部外科女性医師の会(Woman in Thoracic Surgery:WTS in Japan)開催報告

兵庫医科大学病院 心臓血管外科 山崎祥子
2021_3_WTS(700×208).jpg (36 KB)
 今回は海外留学経験のあるお二人の講師と、ディスカッサントのお二人にご協力いただきました。
 お一人目は名古屋大学付属病院循環器学内科学講座講師、坂東泰子先生にご講演いただきました。坂東先生は、留学をキャリアの中でどのように生かすか、そこからどのようにdiversityの問題を考えていくかを中心にお話ししてくださいました。
 留学は目標ではなく、将来のキャリアを見据えて、卒後10年でどう進むか、留学中のテーマが次の10年のキャリアの土台になるのが好ましいという明確なメッセージのもとに、ご自身のキャリア形成をご説明くださいました。坂東先生は海外留学のみでなく国内留学の経験もあり、研究テーマに必要な技術を得るために、当時在籍されていた三重大学から九州大学へ行かれています。この九州大学国内留学で得た技術と知識を使って三重大学で学位を取得されました。その後米国ボストンTufts大学に留学し、リサーチ論文を執筆、与えられた環境でできるだけのことを行った結果とのことでしたが、この時の研究で執筆した論文が日本循環器学会学会賞CPIS賞を受賞されました。結婚を機に名古屋へ移られ、現在の名古屋大学付属病院のスタッフとしてのキャリアに移行されました。坂東先生はdiversity 推進にも力をいれておられ、日本は世界的にみても女性医師の割合が少ない事、循環器内科でも女性スタッフの割合は少なく、この問題を解決するためにはUnconscious bias:女性は無意識のうちに自分をunderestimateしてしまう、女性は上に逆らうな、という自信を持てない素地があり、このバイアスを自分で意識してとっぱらはないといけないというまず女性自身の意識改革が重要であるというお話しは非常に印象的でした。また、diversityを推進する側として、均等な機会を与えるのみでなく、機会が均等になるようにサポートする、という概念も提唱してくださいました。留学を組み込んだキャリアアップとキャリアアップの過程でご自分が与えられた機会を、今度は若手に還元していく立場としての、非常に有意義な話を伺えました。今後留学を考えている若手ディスカッサントの先生からも活発な質問や、また本学会会長の碓氷先生からのコメントもいただきました。
 お二人目は関西医科大学心臓血管外科 講師岡田 隆之先生にご講演いただきました。岡田先生はマレーシア、ドイツと全く異なる文化の2箇所の国に心臓血管外科としての臨床留学をされています。最近は留学離れの傾向もあるようですが、岡田先生は若いうちから積極的に海外へ飛び出されており、大変貴重な臨床留学経験を公聴できました。
 岡田先生はマレーシアのクアラルンプールにある国立循環器病センターに卒後5年目の時に最初の留学をされました。スライドからも伝わる大変立派な病院で、開胸経験もなくいきなりこの大病院へ留学したというのは驚きです。文化的な交流や、カンファレンスで多職種の方と話したり、国外からの高名な先生方のライブ手術を見学したりと人との交流を大切にされたということを強調されていました。その後、いったん日本に戻ったのちにドイツのハイデルベルグにやはり臨床の留学をされました。ドイツの心臓血管外科は日本から見ると非常にハイボリュームです。ドイツの臨床事情、留学中に学ばれた手術や設備、制度やしくみについて語られ、異なる医療や文化から手術手技以外にも学ぶことが多かったというのが伝わってきました。2つの国、2つの施設へ臨床留学をされ、海外留学はキャリアアップになるという答えに確信をもたれているのも学ばれたことが多かったからと思われます。Resilienceの話をされていましたが、おそらくいろいろご苦労はあったと思いますが、ほとんど苦労を感じさせない話っぷりから、岡田先生のresilienceの高さが垣間見られ、若い先生方に見習っていただきたいと感じました。スライドの合間にマレーシアやドイツのグルメ写真が織り交ぜられており、これも留学へのあこがれを掻き立てられる内容でした。
 3人目は東邦大学佐倉病院心臓血管外科 准教授の齋藤綾先生にご講演いただきました。齋藤先生はカナダのLondonにあるUniversity of Western Ontarioに臨床留学されました。移植の歴史の長い病院で、移植の場合は多職種からなるチーム医療となるため、transplant programから月2例ほどある心臓移植を学ばれ、通常手術の合間に緊急ではいってくる移植に対応されていました。
 心移植以外の手術も2チーム性のシステムでハイボリュームの手術をこなしていくカナダのシステムで、ライバルたちと症例を奪い合いながら、1年目の28例の執刀から2年目には98例まで執刀症例を増やされ、この1年の集中したトレーニングがあったので、現在の数に頼らない安定した手技が確立できたというのが印象的でした。おそらく2010年以前には日本ではほとんどされていなかったMICSやrobot手術にも、これはアシスタントとして学ばれたのも貴重な経験かと思われます。 
 上記お二人の先生同様に齋藤先生も強調されたのは、人同士の交流の大切さです。留学中に得られた人脈は、現在でも糧だとのことです。
 齋藤先生は留学経験から、齋藤先生のキャリアアップの法則をさらに展開してくださいました。デフォルト思考から抜け出す、そもそもレールはないという発想で、逸脱を恐れない、ガイドラインが全てではないので、その都度の状況で選択していくことの大切さ、また他人と比べない、人がこうだから自分もというのではないというDiversityに基づいたキャリア形成を行う、さらに、自分の時間を大切にというメッセージも組み込んだ法則でご講演をしめくくられました。
 最後は恒例の集合写真撮影を行いました。今回はオンラインのセッションだったため、写真撮影もオンラインという初めての試みとなりました。
 末筆になりますが、これまでの活動にご理解、ご協力いただきました会員の皆様に感謝申し上げます。活動内容はホームページでご覧ください。

4.2020年度第5回理事会ニュース

日時:2020年9月16日(水)13:00~17:00
場所:世界貿易センタービルコンファレンスセンター3F Room A

1.各種委員会報告及び協議事項
(1)理事会
審議事項
1)定時評議員会案内状の件
今回はコロナ感染症対策のため、現地には役員が出席し、他の評議員は学会HP上から閲覧していただく。
2)日本循環器連合規則(案)
連合規約についての承認と各学会が連合で担当する役割の提出及び外科系として3年に1回は日本循環器学会にテーマを提出(来年4月の学会時に本会として提出)することが承認された。
3)4学会合同ヘパリン抵抗性WG委託事業の件
人工心肺施行時のヘパリン抵抗性に関するアンケートを4学会(本会、心臓血管外科学会、心臓血管麻酔学会、体外循環技術医学会)合同で実施する。体制の枠組みとして、本会と日本血液製剤機構で契約を結び、必要な経費を支払うという内容であり、本理事会で承認された。
4)第122回日本外科学会定期学術集会プログラム
上記について、上級セッション案にふさわしいテーマのアンケート依頼があり、学術集会委員会が対応する。
5)論文不正問題
編集委員会が検討し、施設に質問状を送付することになっている。本会としては、倫理・安全管理委員会及び会誌編集委員会の合同による調査委員会を立ち上げる。
6)心臓移植・心肺同時移植関連学会協議会からの2020-2021年度世話人の推薦依頼
現委員が今後も継続することが承認された。
7)役員等選任
今回は次期分野会長、次々期統括会長、理事、監事いずれも立候補者が定数以内なので選挙はなし、他の役員等についても承認された。
8)日本血管外科学会からの事務局移転要望書
上記の件につき、検討し、本会事務局内移転を前向きに検討する。
報告事項
1)一般社団法人日本ステントグラフト実施基準管理委員会からの監事候補者推薦
推薦者を持ち回り審議にて決定した。
2)日本医学会連合年会費納入の件
例年通りの会費を支払うことが承認された。
3)JROADとJCVSDの年間症例数検証作業
年間症例数について両者に差異があり、協力して突合作業を進めることが報告された。
4)循環器病対策推進基本計画(案)に対する本会からの意見
上記について、澤理事長と新浪理事が作成した意見を提出した。
5)ASCVTS 2021 Nara 1年延期連絡
奈良国際フォーラムで開催予定であったASCVTSがCOVIDの影響により、1年間延期されたことが報告された。
6)2020年度理事会報告
理事会ごとの決定事項等が報告された。
7)理事会・委員会の構成
新会議・委員会の設置、総合将来計画員会の役割、従来の委員会の見直しなどが報告された。
8)事務所移転に関する報告書
テラルテクノサービスの代理人弁護士から、賃貸借契約はこのまま継続という内容の報告書が提出された。当面、事務局は移転しないことが承認された。

(2)総合将来計画委員会
理事長からの5つのミッションについてのこれまでの検討内容が報告された。
1)心臓血管外科学会、呼吸器外科学会及び食道学会との連携と3分野の発展
本学会が他学会の基盤学会となり、共通となる種々の課題に協調するまとめとして動くことが重要である。Case Reportの相互掲載も重要。
三分野会長制はもう少し様子見で、学術集会事務局機能の強化が大前提である。
2)本会がリーダーシップを発揮して種々の学会と強い縦横のネットワークを構築
強い国際連携をはぐくみ国際的ブランド力を高める。海外との交流(MOUの締結)を国際委員会との協力をしながら行う。AATS・ESTS・ASCVTS・ドイツ等色々な学会とつながりを作ることが大切であるが、コロナの影響もあり、足並みをみながら進める。
3)次世代胸部外科医の育成
心臓血管外科学会及び呼吸器外科学会でも同じ組織はあるが、つながりをもたせることが大事で委員会を立ち上げ、将来の胸部外科の在り方を考えるような場を作り、地方会の活性化と若手の教育を連携しながら考える。今後、学術集会で人を集めることが無理ならば地方会が中心となりうることがありうる。
4)事務局機能の更なる発展と事業展開等により財政評価
収益事業をどのように扱うか。事務局機能を強化するために事務局あり方WG委員会の設置。学術集会でどれだけの余剰金をだせるか。
GTCS誌における経費節減及び収入増の検討
5)インセンティブ等の処遇改善と働き方改革を一層進め、胸部外科医の地位向上
胸部外科医労働環境委員会が担当。外科医にインセンティブがつく流れを作るため何らかの意見をプレスリリースする方向や政策検討委員会で何か発言できるようなことを検討してほしい。

(3)専門医制度委員会
日本専門医機構サブスぺ領域検討委員会の今後の日程が報告された。
1)心臓血管外科専門医認定機構
2020年認定心臓血管外科専門医認定状況、本年度申請に関して(試験は1ヵ月延期、2020年~2024年更新該当者の認定期限を一律1年延長等)、施設群形成に関して、新専門医制度、その他(機構委員交代、試験問題委員長)等が報告された。
2)呼吸器外科専門医合同委員会
専門研修施設の認定を、現状より早く認定できるように、手術実績はNCDデータベースに登録されている症例のみ有効、本会法人名変更による規則の変更などが提案され、承認された。2020年認定呼吸器外科専門医、認定試験、2020年認定専門研修施設、本年呼吸器外科専門医申請について報告された。
3)食道外科専門医
令和元年専門医試験結果、現在の専門医数、認定施設数、令和2年度新規専門医申請条件などが報告された。

(4)専門医会員選出委員会
169名の申請者全員が専門医会員として選出された。この審査結果は理事会に報告し、承認され、8月1日に専門医会員として委嘱した。

(5)選挙管理委員会
有権者名簿の確定、選挙の公示、立候補の締め切り、投票、開票、役員等選挙について報告された。

(6)推薦評議員候補者選考委員会
各地区代表委員及び専門分野代表から、それぞれ数名の候補者が推薦された。選挙評議員の欠員数はそのまま各地区からの推薦者(13名)を充当、また各地区から推薦された女性候補者(12名)と全国的見地からの女性2名、更に各地区からの推薦者(11名)の計38名を推薦評議員として選出したことが報告された。

(7)会誌編集委員会
審議事項
1)ベストレビュワー賞
総査読数及び期日内での査読を参考に心臓3名、呼吸器2名、食道1名が選出されたことが報告され、本理事会でも承認した。
2)Case Report の取り扱い
IF向上の観点から数を絞るための対策について継続審議中である。
3)経費削減(冊子体の部数削減・論文投稿料の徴収)
現在、GTCS誌を希望者に送付しているが、経費削減のため、今後は希望者のみに有料で発送する方針となった。また、投稿料徴収については継続審議とする。
4)論文不正問題
本会が優秀論文賞と認めた論文がリストに上がっていたので、当該施設長に問い合わせを行う。本理事会でも検討し、会誌編集委員会と倫理・安全管理委員会による調査委員会を設置する。
現在の投稿状況、Case ReportのAccept状況、GTCS 2019 Publisher‘s Report、Impact Factor 1.088、Invited Review Article、2020年GTCS優秀論文賞選考、Volume 68,issue7,July 2020発行、Online Journal 改修などが報告された。

(8)学術委員会
2017年学術調査集計状況(GTCS誌68巻3号に掲載)、2018年学術調査集計(GTCS誌に投稿中)、2019年学術調査集計(2021年早々にGTCS誌に投稿・掲載予定)、2020年学術調査項目修正(呼吸器・食道領域)、福島論文への対応、コロナウィルス感染症が胸部外科手術に与える影響調査を実施し学術集会中にプレスリリースを行うことが報告された。

(9)学術集会委員会
1)第72回定期学術集会報告
昨年、国立京都国際会館で開催された第72回定期学術集会報告がなされた。過去最高の3,608名の参加、公募演題数は合計1.432題で採択数は1,074題(75%)、海外招聘演者はAATS、EACTS会長を含む36名、JATS Asian Travelling Fellowship支給者は13名(一人5万円)などが報告された。
2)第73回学術集会
第73回開催概要が報告された。ライブ配信2020年10月29日(木)~11月1日(日)、オンデマンド配信:2020年11月9日(月)~2021年1月8日(金)予定。
参加登録期間は2020年9月24日(木)~2021年1月5日(火)まで、発表者のデータ提出期間は10月1日(木)~10月13日(火)、開催方法は名古屋国際会議場メイン会場1会場+各講演会場8会場設置で基本的にはWEB開催で理事、プログラム委員及び分野会長からの指名者のみ来場可となる。ライブ配信は講演、学会企画、クリニカルビデオセッション、一般演題、Case Presentation Awardsなど、オンデマンド配信はPostgraduate Course、医療安全講習会、クリニカルビデオセッション及び一般演題などである。
3)第74回学術集会
第74回開催概要が報告された。会期は2021年10月31日(日)~11月3日(水)、共催のAortic Symposiumが翌日、会場はグランドプリンスホテル新高輪、プログラム委員のリストが報告された。
4)第75回学術集会
会場となるパシフィコ横浜との契約書取り交わしについて審議され、承認された。
会期は2022年10月5日(水)~10月8日(土)、共催のMitral Conclaveは10月9日(日)、会場はパシフィコ横浜である。

(10)財務委員会
財務WG議事録及び本日午前中に行われた財務委員会の議事次第にそって報告された。WGでは、会誌編集費用の見直し(Journalのペーパーレス化による雑誌発送の廃止、投稿料の徴収)、会員管理と学術集会運営のパッケージ化による削減、Zoomなどの開催による旅費の削減、コロナの影響もあるが学術集会の運営方法などについて検討された。本委員会は予算・決算書の作成だけでなく理事会等に提言する委員会になる必要があることが確認された。
審議事項として、令和2年度の特定非営利活動法人活動計算書、一般社団法人の損益計算書(主に特定非営利活動法人日本胸部外科学会からの寄附金6.000万円の収入)が報告され、承認された。なお。令和3年度の特定非営利活動法人活動予算書、令和3年度一般社団法人損益予算書については前回6月の理事会において承認されている。坂本監事が監査報告を行った。

(11)倫理・安全管理委員会
第73回学術集会の演題募集から日本外科学会の演題応募における倫理的手続きに関する指針を適用、第73回定期学術集会における医療安全講習会の企画決定、医療事故調査外部委員の派遣依頼、日本医療安全調査機構へ個別調査部会員の推薦、医療事故調査制度への対応などが報告された。

(12)診療問題委員会
ビオクタニン液の取り扱い、日本循環器学会からICD-11の翻訳作業依頼、安全確保に特に配慮が必要な医薬品の選定(10品目を選定)、供給停止予定品目検討、令和4年度診療報酬改定(要望項目アンケート実施予定)について報告された。

(13)研究・教育委員会
各公募研究における当会基本方針の策定(データベース利用公募研究における学会のオーサーシップ基本方針の策定、各公募研究にスーパーバイザーや進行管理者を設置)、JATS Research Project Awardの選出結果、NCD臨床研究推進委員会報告、サマースクール(本年は心臓及び呼吸器とも開催見送り)、JATS Academy(若手・中堅胸部外科医へのメッセージ掲載)、Postgraduate Course、TAVIワークショツプについて報告された。

(14)広報委員会
HPのリニューアルの件につき、委員会にて業者選定を行い、より学会に寄り添った提案と判断された1社について本理事会でも検討し、承認された。委員会名称変更、News Letterの紙面発行取りやめとHTMLメール化、本会Webサイト関連学会情報の掲載、バナー広告、SNS対応など検討したことが報告された。

(15)総務・渉外委員会
理事会ニュース作成、勤務医師賠償責任保険加入状況、呼吸療法認定士試験結果、臨床工学技士試験結果、体外循環技術認定士試験結果、人工心臓管理技術士認定試験結果、職員業務分担(案)、服務規則(案)を作成中、事務局移転はキャンセルなどが報告された。

(16)定款改訂委員会
一般社団法人では評議員会当日に役員選挙を行うのではなく、役員選任を社員総会(評議員会)で承認しなければならず、社員総会に出席できない方に予めメールやFAXで選出された役員の承認が必要となる。そのためには評議員会開催前までに選挙実施を行うことが一般社団法人化委員会から申し送りがあった。選挙を評議員会前までに実施するには施行細則の改訂が必要となるため、改訂案を6月29日開催の理事会に提出し、承認された。

(17)臓器移植委員会
2019年の心臓移植・肺移植の実施状況、小児ドナーにおける肺移植・心肺同時移植レシピエントの取り扱い、新たな小児心臓移植施設認定、肺移植のためのガイドブックの再改訂について報告された。

(18)胸部外科医労働環境委員会
第73回定期学術集会時の委員会企画セミナー(With Corona時代の胸部外科医の働き方、2024年問題を切り抜けるために、男女共同参画:女性医師のキャリア支援の実践)を企画した。女性評議員にアンケート(女性評議員数、どのような委員会での活動を希望か、理事会へのオブザーバー参加、女性理事枠の創出)調査を行った結果が報告された。
また、ICU術後管理パッケージWGの碓氷委員長から、5学会連名で厚生労働省に要望書を提出、8月25日付で厚生労働省・領域別パッケージ研修に「集中治療領域パッケージ研修」が追加されたことが報告された。

(19)国際委員会
第73回学術集会期間中のホームカミングセッションの企画内容について報告された。また、来年度のフェローシップの募集についてコロナの影響もあるが、通常通り行う。

(20)COI委員会
本会COIの改訂版作成の作業を行い、指針改定のポイント(指針、指針運用規則、様式改訂案、学術集会におけるQ&A改訂版、医学研究に関する指針Q&A改訂版、学術集会における様式改訂版)が資料として提出された。検討の結果、本理事会として承認した。なお、施行日は2021年4月1日からとする。

(21)地方会のあり方委員会
本会と地方会との一体化事業、地方会補助金総額、会員管理システムの改修、専門医クレジット、関西胸部外科学会事務局を本会事務局に移転、本委員会の継続性、JATS Case Presentation Awardの施行について報告された。

(22)J-MACS委員会
参加施設の進捗状況・報告、施設訪問監査、18歳未満の対応、データ利用(レジストリデータ利用、Statistical Report、データ解析報告)、BTBの際のProfile、2021年4月以降の次期運営体制について報告された。

(23)一般社団法人化委員会
本年4月1日に一般社団法人として登記され、会員の一般社団法人への移行は8月1日実施、役員(理事・監事)等選挙の件及び監事定数に伴う定款施行細則の改訂を定款改訂委員会に依頼したことが報告された。

(24)経カテーテル的心臓弁治療関連学会協議会
2020年6月までの実施状況(国内TAVR実施件数31,023件、死亡率は1.0%)、実施施設認定状況、その他(協議会名称変更、透析への適応拡大、肺動脈弁位生体弁へのTAV-in-SAVが検討)について報告された。

(25)日本ステントグラフト基準管理委員会
委員会開催日、2019年度決算、2020年度予算、審査状況及び追跡調査登録状況、2019・2020年度更新施設、2015年末までのデータ利用に関する倫理委員会・承認、AFX safety letter、Aorfixデータの論文化、JACSMデータを利用した新規研究課題の応募について報告された。

(26)補助人工心臓治療関連学会協議会
2020年実施施設・実施医・管理施設認定状況、管理医に関して(管理医認定委員会が発足)、Webでの研修セミナー、植込型補助人工心臓治療の進捗状況、コロナ感染症に係る診療報酬上の臨時的な取り扱い、DTWGで指針について策定、インペラ部会、JPVADレジストリー運用の承認、VAD協議会の今後の体制が報告された。

2.ロボット外科手術関連学会協議会のプロクター認定の変更について報告された。

5.2020年度臨時理事会ニュース

日時:2020年10月28日(水)15:00~16:00
会場:名古屋国際会議場 2号館1階 211

1.定時評議員会(社員総会)議事進行等
定時評議員会、表彰式、閉会式のマニュアルが報告された。今回は現地出席と委任状提出者135名、議決権行使書提出者216名で審議事項はすべて報告事項となる。

2.理事会及び委員会の審議・報告事項
(1)理事会
外科系三学会(日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本血管外科学会)が意見交換し足並みを揃え、社会に向けた発信及び行政や他学会に要望や提言を行うことの必要性から、循環器外科連合の設立(各学会からのコアメンバー)が提案され、承認された。

(2)専門医制度委員会
専門医制度関連講習会の受講証明書機能の費用について、2019年12月の理事会において提出された見積もりに対して、再検討を行った結果が報告され、承認された。

(3)学術集会アンケート
今回の第73回学術集会に関するWebアンケートの内容について、委員会で検討した最終案が提出された。今後の学術集会の方向性を考える上で重要な内容であることが再認識された。今回は日本専門医機構、共通講習及び外科領域講習は開催されないので、削除することで、アンケートは承認された。

(4)診療問題委員会
令和4年度診療報酬改定に向けてロボット手術関連学会協議会からの要望、左心耳閉鎖術併施、一般社団法人日本クリティカルケア看護学会からの要望があったことが報告された。

(5)研究・教育委員会
第3回JATS Research Project Awards基金について、もし、不足する場合は、一時的に本会会計から支出することが承認された。

(6)総務・渉外委員会
日本血管外科学会事務局の本会事務局内移転に際し、現状で検討されているテラルテクノサービス及び日本血管外科学会との事務委託契約書が提出された。本会と日本血管外科学会との委託料等に関する覚え書(案)が提出され、承認された。

(7)国際委員会
AATS/JATS Mitral Conclave開催については、来年のAortic Symposium開催との兼ね合いもあり、引き続きの検討事項とする。

(8)心臓血管外科専門医認定機構
心臓血管外科専門医認定機構の事務長に本会職員が就任することが本理事会でも承認された。

3.2021年度理事会開催スケジュール
第1回から第5回までの理事会開催候補日が提示され、第1回は、12月9日(水)と決定した。

6.2020年度新旧引継理事会ニュース

日時:2020年10月29日(木)7:30~8:00
場所:ANAグランコート名古屋5F ローズルーム
      
1.退任の挨拶と新任の挨拶
2.2021年理事会日程
第1回は12月9日(水)に開催することを再確認した。

7.2021年度第1回理事会ニュース

開催日時:2020年12月9日(水)12:00~15:30
会場/開催方法:日本橋ライフサイエンスビルディング201大会議室/Hybrid開催

[2021年度委員会構成・委員選任および年度計画]
委員会構成・委員選任(対外委員会含)および年度計画が報告され承認された。主たる委員会委員長・副委員長の役割分担は前年度踏襲、若手組織体制委員会および評議員あり方委員会は活動開始、女性評議員にはいずれかの委員会委員に就任いただく、今後、女性理事オブザーバーを検討する方針とすることが報告された。

1.理事会
定款に基づく事業年度計画、理事会年5回開催(会場:日本橋ライフサイエンスHUB)、総合将来計画委員会、リーダーシップMTG、編集委員長会議を開催することが報告された。目標達成のため3 つのChance を生かし5 つのMission を実行すべく各委員会を割り当てたので委員長は遂行していただきたい。
審議事項は1. ePTFE 肺動脈用弁付コンデュイットワーキンググループ設置(小児循環器学会)は本会として坂本監事を推薦、2.本会会員への一斉メール周知依頼「特別討論会:危機的出血に対する輸血療法を考える」(日本輸血・細胞治療学会)は承認、肺癌診療ガイドライン 2020 後援依頼(日本肺癌学会)を承認したことが報告された。

2.総合将来計画委員会
委員構成、年度計画は3領域からなる本会の長期および短期にわたる将来計画を立て具現化していくこと、委員会年間開催スケジュール、若手組織体制委員会および評議員あり方委員会の活動開始が報告された。
若手組織体制委員会は、若手の心・肺・食の横のつながりを強固なものにし、JATSの伝統・財政基盤をプラットフォームに政策検討員会(インセンティブ)へ繋げていくことを目的とする。心臓U40は心臓血管外科学会ご担当理事(若手組織体制委員会委員に就任いただく)に依頼し、呼吸器・食道とともに協力体制を構築する。
評議員あり方委員会は、義務・役割(GTCS査読、学術集会コントリビューション:査読・座長・ディスカッサント:カテゴリー分類初期登録要)を決め、定款に入れることを目的とする。女性評議員の委員会委員就任と理事会参加は胸部外科医労働環境委員会と検討する。

3. 政策検討委員会
委員構成、年度目標は「働き方改革」は厚労省の動向や発表に注視して模索すること、医師の業務を見直し行政へ訴えかけること、医師のインセンティブに向けての情報収集すること、プレスリリースは毎年実施すること(第73回は3学会メンバーで実施したことは社会に向けいい機会になり、本会プラットフォームでインセンティブに繋げることが目標である)が報告された。

4.専門医制度委員会
委員構成、年度計画は1.外科学会とサブスペシャルティ領域の連動性確立、2.専門医制度講習利便性、システム化検討、3.外科専門医研修内容検討と要望提出、4.外科学会を通して日本専門医機構への要望、5.初期研修医、外科専攻医への情報発信および若手組織体制委員会へ繋いでいくこと、6.現行専門医の新専門医制度への移行手順確定と現行専門医への周知が報告された。
1)心臓血管外科専門医認定機構
2020年第4 回心臓血管外科専門医認定機構総会(2020.10.05)議事録案が説明された。
2)呼吸器外科専門医合同委員会
1.2021年認定呼吸器外科専門医、2.呼吸器外科専門医認定試験、3.専門研修施設申請は例年通り、4.日本胸部外科学会の定款変更による規則変更、5.論文不正問題は検討中であることが報告された。
3)食道外科専門医 新規申請・更新申請状況が報告された。

5.専門医会員選出委員会
従来通りとする。

6.選挙管理委員会
従来通りとする。

7.推薦評議員候補者選考委員会
従来通りとする。

8.会誌編集委員会
委員構成、年度計画は1.GTCS IFの向上(「みんなで伸ばそう!IF」活動、引用促進資料、分野別論文リスト更新、Annual Report来年1月掲載)、2.2021年(2020年Vol.68)優秀論文賞選考(基準再検討)、3.2021年Best Reviewer Award選考、4.special issue発行(荒井理事:心臓分野 弁膜症)、5.Reviewerおよびリスト情報の整理が報告された。
審議事項は来年からGTCS 冊子体はなくなるため表紙変更(写真なし)が提案され承認された。報告事項は1.論文投稿・掲載状況(2020年11月10 日現在)は投稿数735編、内OR 332/CR 327、Accept OR 121/CR 107で増加していること、CRの扱いは編集委員長会議で大方針を決めることとなった。

9.学術委員会
委員構成、年度計画はAnnual Report 2019・2020・2021、消化器外科データベース関連学会協議会と連携を図ることが報告された。

10.学術集会委員会
委員構成、年度計画は1.第75 回、第76 回の当日運営会社は学会開催方法移行期でありコングレと数年契約を締結、2.学術集会HP 作成はプリプレスセンターと契約作成、3.分野ごとの枠数の設定と第74 回のプログラム作成、4.事務局と統括会長、分野会長、学術集会委員会のチームによる寄付募集、5.クレジットとなるプログラム(共通講習、領域講習、PGC等)、6.国際委員会との協力プログラム(AATS、トラベルグラント、ホームカミングセッション)、7.ASCVTS、韓国胸部外科学会との協力プログラム、8.海外招請演者、外国人名誉会員の件、また、第2 回学術集会委員会を開催したことが報告された。
1)第73回学術集会振り返り
3分野会長制・事務局主導学会・ハイブリット開催・プログラムを全体で決めたこと・プログラム委員会に学術集会と国際委員会が入り開催したこと、また、参加者等集計結果(ライブのみ)が報告された。
参加者:全4093名(全会員の50%)評議員390名、専門医会員1183名、
招待517名(名誉・特別)、PGC2343名(従来の3倍)
分野別:心2075名(64%)、肺1104名(33%)、食143名(2.3)
年 齢:U40/1035名(24%)、41-50/1022(24%)
*メール配信は有効・プログラム冊子到着で増加
・WEB聴講者数と曜日:ログイン総数は土日が多い傾向ではないこと
・配信ランキング:1.呼吸器外科ロボット手術(土)、
2.新規ガイドラインはここが変わった!(金)、3.モーニングセミナー1:企業(金)
2)学術集会委員会アンケート結果(中間報告)
「今後の学術集会方向性」
1.開催形式:ハイブリットがよい55%、リアルがよい28%
2.3.通常開催(メリット:議論活発、デメリット:並列セッション見られず・仕事休めず・交通費宿泊費発生)
4.5.WEB開催(メリット:並列セッション見られる・自由時間視聴・交通費宿泊費なし
デメリット:議論みられず)
6.オンデマンドで残してほしい:医療安全・PGC・外科領域講習等ポイント講習
7.視聴環境:プライベート77%、仕事の合間61%
9.ハイブリットで発表ない場合:行く20%、行かずWEB で65%
10.ハイブリットで発表ある場合:現地56%、WEB登録・現地討論15%、WEB登録・WEB討論26%
11.通常開催でハイブリット併用の場合:参加44%、WEB14%、発表通れば現地39%
12.日程:平日31%、週末休日中心21%、週後半と週末44%
3)第74 回
会期は2021年10/31~11/3(AATS共催11/4)、演題募集期間は2/24~4/15とすることが承認された。
4)第75 回当日運営会社はコングレに正式決定したことが報告された。
5)今後の学術集会事務局体制
学術集会事務局職員1名の退職に伴い(N運営会社に入社)、再検討をした。N社からは担当はそのまま継続し、従来通りの費用で請け負うとの提案が出された。
第74回:1年間の業務委託契約とし、財務は新たに入局した職員が協力。なお、関西胸部外科学会事務局業務もN社との契約に入れること。
第75回およびそれ以降:理事長および関連役員で早急に検討し、理事会に諮る。運営会社にJATS専任者を置き一社のみの体制とすることも検討する。
6)ハイブリット開催による予算の注意点
WEB開催(映像・スタジオ・サーバー)は過渡期にあり注意を要する。

11.財務委員会(財務WG)
委員構成、年度計画は1.本会会計管理団体(NPO/一社JATSおよび7団体)と決算時期、2.NPO から一般社団法人への移行期間、関西胸部外科学会事務受託、地方会のあり方等の対応、3.委員会スケジュールが報告された。

12.倫理・安全管理委員会
委員構成、年度計画は1.「学術集会演題応募の倫理的手続き指針」・「症例報告を含む医学論文及び学会研究会発表患者プライバシー保護指針」対応、2.第74 回学術集会医療安全講習会企画、3.医療事故調査制度周知対応、4.医療事故調査等外部委員依頼対応、5.心臓血管外科ライブ手術届出対応が報告された。審議事項は日本外科学会の医療安全委員会からの依頼「高難度新規医療技術リストの改定」は検討し対応する。

13.診療問題委員会
委員構成、年度計画は1.令和4年度外保連要望項目提出と保険点数収載活動、2.各種診療関連問題対応、3.医薬品、医療機器等供給停止検討が報告された。令和4 年度外保連要望項目が報告され、審議事項は「切開創SSI に対するNPWT 機器の適正使用にかかる提言」が説明され承認された。

14.研究・教育委員会
委員構成、年度計画は1.JATS Research Project Award、2.NCD 臨床研究推進委員会『NCD データを利用した複数領域にまたがる新規研究課題募集のお知らせ』、3.サマースクール、4.Postgraduate Course、5.JATS Academyが報告された。OJTは EACTSでは実施しており、本会をプラットフォームとし、3学会が進めていく方針とすることが報告された。審議事項は『生体弁置換術後3カ月間の抗凝固療法に関する医師主導型治験』を検討し承認された。

15.広報委員会
委員構成、年度計画は1.Web サイトリニューアル、2.ニュースレターメール、3.バナー広告募集による収益化(規約改訂)が報告された。また、メディカルノートを検討する。

16.総務・渉外委員会
委員構成、年度計画は1.理事会ニュース管理、2.勤務医師賠償責任保険・団体保険制度管理、本会会員ページへ案内掲載リンク、3.3学会合同呼吸療法認定士認定試験結果等の管理、4.職員業務分担・給与・服務規程等管理、5.会員管理システム管理、6.マイナンバー管理、7.事務所(移転せずリニューアル対応、血管外科学会が同居)、8.賛助会員増(会費・口数を変更できるよう定款施行細則変更あるいは覚書対応)が報告された。
 
17.定款改訂委員会
従来通りとする。

18.臓器移植委員会
臓器移植実施施設認定が報告された。

19.胸部外科医労働環境委員会
処遇改善・男女共同参画WGは委員構成、年度計画は1.働き方改革実現に向けて検討、2.男女共同参画、女性評議員の委員会委員就任・女性理事オブザーバーを検討することが報告された。チーム医療推進WGは委員構成、医師の働き方改革を受けタスクシフティング、チーム医療推進、パッケージ化の推進を行うことが報告された。

20.国際委員会
委員構成、年度計画は1.フェローシップ事業(2021年度応募者7名)、2.トラベルグラント、3.留学報告会、4.感染症の状況を鑑みイタリア・ドイツの胸部外科学会等の新たな国際的カウンターパートとの交流を推進することが報告された。

21.COI委員会
従来通りとする。

22.地方会のあり方委員会
委員構成、年度計画は1.第73 回のJATS Case Presentation Awards総括と継承(第74回も実施、主体は地方会のあり方か学術集会か要検討、若手組織体制委員会にも繋げていく)、2.本会・地方会の一体化各種調整と会員管理システムの改修が報告された。

23.J-MACS委員会
委員構成、年度目標は補助人工心臓レジストリー継続、Statistical Report作成・公開、データ利用申請チェック、施設訪問監査実施、また、2021年開始DT治療モニタリング、2021年4月以降運営体制をVAD企業、DCと契約を進めることが報告された。

24.一般社団法人化委員会
従来通りとする。

25.補助人工心臓治療関連学会協議会
2020年第3 回(通算第31 回)委員会議事録、2020 年第4 回(通算第32 回)委員会議事次第が提出され報告された。一般社団法人化し事務を本会事務局としJ-MACSを包括する予定であることが報告された。

26.コンテグラ実施基準管理委員会
コンテグラ使用に関する研修プログラムの実施報告が提出され報告された。

27.4学会合同ヘパリン抵抗性WG
「人工心肺を用いた手術時のヘパリン抵抗性に関する実態調査」協力依頼が説明され承認された。

2021年度理事会・評議員会開催日程が提出され報告された。

8.会員専用「団体保険制度」新規・継続のご案内

会員専用「団体保険制度」新規・継続のご案内を2月26日に送付いたしました。
今回より、勤務医師賠償責任保険のWEB(インターネット)でのお手続が可能になりました。ぜひご利用ください。
https://jats.members-web.com/my/page/top.html
(口座振替:5月14日(金)締切 銀行振込:7月30日(金)着金締切)

その他個人向け、ご家族向けの新しい保険が加わっています。
ご確認ください。
https://www.kaito.co.jp/professionals/doctor/information/kyoubu/

編集後記
広報委員会委員 清水 公裕
 本Newsletterにおいては、第74回定期学術集会の演題募集のお知らせがございます。特別企画「胸部外科医の教育・トレーニング法のアップデート」など斬新な演題が多数企画されておりますので、コロナ禍ではございますが、昨年同様多数の演題のエントリーをお願い致します。また、本Newsletter には2020年度優秀論文賞受賞者の声も掲載されております。GTCSがimpact factorを得たこともあり、より洗練された質の高い論文が受賞されておりますので、是非受賞者の声をご一読ください。僭越ながら、私自身も肺区域切除関連の仕事で2016年度の優秀演題賞をいただきました。受賞論文を最初に投稿したJTCVSの査読者からは、4回読んでも意味がわからないと言われ落ち込んでおりました。しかし、その後GTCSに掲載していただき、さらには優秀論文賞をいただいたことは、その後の仕事においてどれ程の励みになったか計り知れません。肺区域切除においては、もともと日本がトップランナーであり、受賞した論文は、区域切除がまだ世界的には普及していない状況で発表したために理解されなかったのでは(最近、その論文の続報がJTCVS Techniqueに簡単にacceptされたこともあり)と個人的には思っております。このように自身の経験を思い返しますと、現状においても日本の胸部外科医の技術が世界に先んじていることは多々あり、そのような世界的にはまだ普及していない日本の胸部外科の「巧」の技術を掲載、紹介する役割を担うGTCSは、今後よりいっそう価値が高まるのではと考えております。
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